2020年09月20日
【感想】グノーシア:ボッチでも遊べる人狼ゲーム
ここ一週間ほど「グノーシア(NintendoSwitch版)」というゲームにのめり込んでしまっていた。
簡単にいうと人狼をデジタルゲーム化したもの。
ゲーム内の14人のキャラクターと自分を含む最大15人で人狼をやるゲームだ。
1回のプレイは短いと5~10分ぐらい、難しくなってきて熟考すると15分~20分弱かかったかな。
このゲームを繰り返し、徐々に各キャラのバックボーンなどが見えてきて全体のストーリーが進んでいく立て付け。
自分はクリアまでに〇〇回プレイすることになった(この回数もネタバレになってしまうのかも…)
総プレイ時間はどれくらいだろ、ちゃんと計ってないしセーブデータにも記録されてないけど、約20時間くらいかな。
1回のプレイは短いのに病みつきになって何回も遊べる不思議な魅力を自分なりに考えてみる
・UI、操作性
・レベルアップ(パラメータ割り振り)
・ゲームサイクル
・AI
簡単にいうと人狼をデジタルゲーム化したもの。
ゲーム内の14人のキャラクターと自分を含む最大15人で人狼をやるゲームだ。
1回のプレイは短いと5~10分ぐらい、難しくなってきて熟考すると15分~20分弱かかったかな。
このゲームを繰り返し、徐々に各キャラのバックボーンなどが見えてきて全体のストーリーが進んでいく立て付け。
自分はクリアまでに〇〇回プレイすることになった(この回数もネタバレになってしまうのかも…)
総プレイ時間はどれくらいだろ、ちゃんと計ってないしセーブデータにも記録されてないけど、約20時間くらいかな。
1回のプレイは短いのに病みつきになって何回も遊べる不思議な魅力を自分なりに考えてみる
・UI、操作性
・レベルアップ(パラメータ割り振り)
・ゲームサイクル
・AI
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●UI、操作性
ゲームを長く遊ぶにはわかりやすいUIと快適な操作性は必須だ。
本作は特にボタンアサインが本当によく考えられてるなーと感じた。
・ステータス表示
以下のようなゲームのステータスはサクッと表示してサクッと消したい。
- 誰を処刑して、だれが殺されて、すでに判明している各キャラの役割は?
- ゲームのルールはどうだっけ?グノーシア(人狼)は最大人数、AC主義者(嘘つき)・バグの有無などなど。。。
これをサクッと確認できるように「L(R)ボタンを押してる間だけ表示」としているのが良い。
これが、「Lボタンを押したら表示、もう一回押したら(もしくはBボタンを押したら消す」とかだったらかったるかっただろうな。
・議論中のアクション
人狼の議論中によく行うアクションは次の2つ。
「他の人の発言を見守る(静観する)」
「誰かを疑う(かばう)orスキルなどの能動的なアクション」
これが、それぞれ「A」「X」ボタンに割り当たっていた。
「静観」が「Aボタン」に割り当たってたのが良い。
「アドベンチャーゲームとしての文字送り」と「静観して周囲の会話を先に進める」というアクションを「Aボタン」に集約しているのが分かりやすい。
周囲の会話を「Aボタン」で進めつつ、自分がツッコミをいれたいときだけ「Xボタン」を押すという操作パターンが確立できる。
よく使うアクションをより押しやすく、近い位置に配置されているのが良い。
他の選択肢として「B/Y」ボタンにアサインされてたらどうか。
「Bボタン」は「操作をキャンセルする、前の画面に戻る」などの割り当てになることが多いので上記の操作には不向き。
「Yボタン」は。。。。
「静観(A)」「ツッコミ(Y)」のアサインだと、ほんの少しの違いではあるけれど、「よく使う操作」としてはボタンが離れている
「テキスト送り(A)」「静観(X)」「ツッコミ(Y)」だったとしたら論外。
今回のボタン配置がベストだろう。
・詳細ステータス表示
上記のステータス表示よりもう少し詳しい状況を表示する操作。
例えば、過去の会話ログ、エンジニア・ドクターの判定結果など、、、上の二つより少し頻度は落ちるけれど、それでも割とよく見るステータス画面。
これが「Yボタン」にアサインされていたのが良かった。
この手のステータス画面表示を「+ボタン(STARTボタン)」とかに割り振っちゃうことはないだろうか?
これが「+ボタン」に割り当たっていたらかなりのストレスだったと思う。
ちなみに「+ボタン」を押すと、「ヘルプ表示・タイトルに戻る・ゲームを最初からプレイ」など、システムよりな項目、つまり、ゲームプレイとは直接は関係のない操作を行うためのメニューが表示される。
本作の「詳細ステータス表示(Yボタン)」と「ポーズメニュー(+ボタン)」が同じ画面に集約されていたとしたら、それはそれは見づらいものになっていたと思う。
アクションゲームを作ってると「ABXY(〇×△□」ボタン」にメニュー系の操作を割り当てるという発想をしづらいけど、アクションゲームでもメニューの操作系はこうしたアドベンチャーゲームの操作性が非常に参考になるなぁ
●レベルアップ(パラメータ割り振り)
ゲームをプレイすると経験値がたまり、レベルがたまると6種類の能力値に自由に数値を割り振ることが出来る。
それ自体はよくあるシステムなんだけど、能力値が適切に密接にゲームに結びついているのが良い。
一つのパラメータに特化させすぎても勝てるわけではないという絶妙なバランスも良い。
「直感」を上げれまくると嘘は見抜きやすくなるけれど、「カリスマ」が低ければ嘘を指摘しても共感してくれる人が少なくて効果が出せなかったり、「ステルス」が低いと嘘を見破って「疑う」などの目立つ行動をするとグノーシアに殺されやすくなるとか。
「演技力」が低いと自分がグノーシアの時にバレやすいとか。
どれか一つを極めても勝てないし、6個の能力にまんべんなく割り振っても行き詰るし、、、
と、結構考えないといけないところが難しくもあり面白い。
そして、ゲーム内の各キャラの性格がこの能力値で表現されているところも親和性がよい。
●ゲームサイクル
自分が殺されたとき、もしくはグノーシアとして参加してコールドスリープされたとき、、、
つまりゲームに負けた後に次のプレイに進むモチベーションを維持させる仕掛けが良かったので長く何度も遊ぶことが出来たと思う。
うーん、ゲームの一連の流れがうまくできてる。
何度でも遊びたくなる仕組みが練られている。
●AI
大雑把にいうと最終的には「誰の味方になるか」「誰と敵対するか(疑う・殺す)」を選択する思考ルーチンだとおもうんだけど、14人のキャラがそれぞれ知性・感情を持ってるんじゃないか?と錯覚させられてしまうような動きをしてる。
↓で解説されていることではあるけれども
まずは各キャラの性格にマッチした感じで納得感のある能力値の割り振りがされている。
その結果「コメットは嘘を見破りやすい」「ジョナスのウソは見破りにくい」などの納得感のあるわかりやすい結果になる。
これだけだと「じゃぁ、コメットの言うことを信じてれば楽勝じゃん」ってなるかもしれないんだけど、
・コメットがグノーシア(嘘つき)の場合もある
・演技力の高いキャラのウソはコメットでも見破れず、別の間違ったキャラを疑うこともある
などなど、各キャラの役割が毎度変わるというのも相まって、毎度同じ行動をするというわけじゃない。
あと、グノーシアたちのウソに気づいてるかそうでないかによっても行動がかわるから、「誰が誰のウソに気づいていそうか?」「AとBがグノーシアだから共謀してXを疑っているのか?それともただ仲が良いからか」「グノーシアだからといって常に嘘をつくとは限らない」などなど。
ゲーム内のキャラの行動に着目して仮説を立てたり疑ったりすればするほど、キャラの中に知性や感情があるのではないかと思えてきてしまう。
そんな魅力あるAI達でした。
さいごに
開発に4年かかったとのこと…ものすごく色んな事が練りこまれた作品になっていた。
こんなにキャラに感情移入できてしまうゲームは久しぶりだったし、一気にクリアしたくなったのもよかった。
どんな人にお勧めか…
・人狼が好き
・アドベンチャーゲームが好き
・論理的思考が要求されるゲームが好き
・SFが好き
そんな人に刺さる気がする!!
ちょっと余談だけど、ダンガンロンパのノンストップ議論にも似てるなと思った。
あのゲームもめっちゃ好きなんだけど、ダンガンロンパはシナリオありき、何度やっても結果は同じなのに対して、グノーシアは毎回展開が違うから何度でも遊べる、人狼一転突破のゲームになっている。
ひとつのことを突き詰めるとこんな素敵なゲームになるんだな!というのを教えてくれた。
●UI、操作性
ゲームを長く遊ぶにはわかりやすいUIと快適な操作性は必須だ。
本作は特にボタンアサインが本当によく考えられてるなーと感じた。
・ステータス表示
以下のようなゲームのステータスはサクッと表示してサクッと消したい。
- 誰を処刑して、だれが殺されて、すでに判明している各キャラの役割は?
- ゲームのルールはどうだっけ?グノーシア(人狼)は最大人数、AC主義者(嘘つき)・バグの有無などなど。。。
これをサクッと確認できるように「L(R)ボタンを押してる間だけ表示」としているのが良い。
これが、「Lボタンを押したら表示、もう一回押したら(もしくはBボタンを押したら消す」とかだったらかったるかっただろうな。
・議論中のアクション
人狼の議論中によく行うアクションは次の2つ。
「他の人の発言を見守る(静観する)」
「誰かを疑う(かばう)orスキルなどの能動的なアクション」
これが、それぞれ「A」「X」ボタンに割り当たっていた。
「静観」が「Aボタン」に割り当たってたのが良い。
「アドベンチャーゲームとしての文字送り」と「静観して周囲の会話を先に進める」というアクションを「Aボタン」に集約しているのが分かりやすい。
周囲の会話を「Aボタン」で進めつつ、自分がツッコミをいれたいときだけ「Xボタン」を押すという操作パターンが確立できる。
よく使うアクションをより押しやすく、近い位置に配置されているのが良い。
他の選択肢として「B/Y」ボタンにアサインされてたらどうか。
「Bボタン」は「操作をキャンセルする、前の画面に戻る」などの割り当てになることが多いので上記の操作には不向き。
「Yボタン」は。。。。
「静観(A)」「ツッコミ(Y)」のアサインだと、ほんの少しの違いではあるけれど、「よく使う操作」としてはボタンが離れている
「テキスト送り(A)」「静観(X)」「ツッコミ(Y)」だったとしたら論外。
今回のボタン配置がベストだろう。
・詳細ステータス表示
上記のステータス表示よりもう少し詳しい状況を表示する操作。
例えば、過去の会話ログ、エンジニア・ドクターの判定結果など、、、上の二つより少し頻度は落ちるけれど、それでも割とよく見るステータス画面。
これが「Yボタン」にアサインされていたのが良かった。
この手のステータス画面表示を「+ボタン(STARTボタン)」とかに割り振っちゃうことはないだろうか?
これが「+ボタン」に割り当たっていたらかなりのストレスだったと思う。
ちなみに「+ボタン」を押すと、「ヘルプ表示・タイトルに戻る・ゲームを最初からプレイ」など、システムよりな項目、つまり、ゲームプレイとは直接は関係のない操作を行うためのメニューが表示される。
本作の「詳細ステータス表示(Yボタン)」と「ポーズメニュー(+ボタン)」が同じ画面に集約されていたとしたら、それはそれは見づらいものになっていたと思う。
アクションゲームを作ってると「ABXY(〇×△□」ボタン」にメニュー系の操作を割り当てるという発想をしづらいけど、アクションゲームでもメニューの操作系はこうしたアドベンチャーゲームの操作性が非常に参考になるなぁ
●レベルアップ(パラメータ割り振り)
ゲームをプレイすると経験値がたまり、レベルがたまると6種類の能力値に自由に数値を割り振ることが出来る。
それ自体はよくあるシステムなんだけど、能力値が適切に密接にゲームに結びついているのが良い。
一つのパラメータに特化させすぎても勝てるわけではないという絶妙なバランスも良い。
「直感」を上げれまくると嘘は見抜きやすくなるけれど、「カリスマ」が低ければ嘘を指摘しても共感してくれる人が少なくて効果が出せなかったり、「ステルス」が低いと嘘を見破って「疑う」などの目立つ行動をするとグノーシアに殺されやすくなるとか。
「演技力」が低いと自分がグノーシアの時にバレやすいとか。
どれか一つを極めても勝てないし、6個の能力にまんべんなく割り振っても行き詰るし、、、
と、結構考えないといけないところが難しくもあり面白い。
そして、ゲーム内の各キャラの性格がこの能力値で表現されているところも親和性がよい。
●ゲームサイクル
自分が殺されたとき、もしくはグノーシアとして参加してコールドスリープされたとき、、、
つまりゲームに負けた後に次のプレイに進むモチベーションを維持させる仕掛けが良かったので長く何度も遊ぶことが出来たと思う。
- プレイ時間が短い
1プレイが短いから、サクッと次にチャレンジしてみようという気持ちになる - 毎度違う展開
各キャラの役割が毎回変わるので前回の展開と全く同じになるというおとがない。
そのため、「毎回同じ展開で、どーーーしてもこのキャラのこの行動を止めることが出来ない」みたいなのを何度も繰り返すというような苦行感がないので次の一歩を踏み出すハードルがかなり低い。
「今回はあいつに阻まれたけど次も奴が敵とは限らない」と思える - 経験値
勝っても負けても経験値が入るので負けたとして繰り返し遊べばレベルアップできる。
パラメータを上げて少しづつ嘘を見破りやすくなったり死にづらくなったりする
それと、ゲームに慣れてきてゲーム内の能力値とは別に自分の判断で嘘を見抜いたりと、プレイスキル自体も上がってくるのと相まって「自分のプレイがうまくなってる感(心理的報酬)」を得やすい - 過去ログ
1ゲームが終わると「だれがどの役割だったか」が分かる。
分かった上で、会話ログとか「エンジニア・ドクターの判定結果」を見ると面白い。
グノーシア役のくせに人間をかばう行動をしたり、グノーシア同士で疑ったりすることもあるのかと舞台裏が見えるのも面白いし、このタイミングで自分のウソがばれてたのかーというのもわかる。
各キャラの性格による行動パターンも見えてくるから、次のプレイであのキャラがこんな行動したら気を付けようとか対策を考えるのも面白い
ゲーム後のリザルト表示で「次にどうやってプレイしよう?」って考えるきっかけを与えてるのがモチベーションを保つのに役立っている - キャラとのイベント
キャラをかばったり夜の時間に会いに行ったりすると好感度的な内部パラメータが上がるのか、ちょっとしたイベントが起こることがある。
そうすると、キャラの隠れた性格が分かって親近感がわくし、プロフィール画面の空欄が埋まっていったりするので収集意欲も湧く。
↓で説明されているように、特定のキャラのイベントが連続して発生しないような工夫がされていて、おおむねまんべんなく全キャラのイベントが少しずつ発生するので飽きがこない。
そして、各キャラのイベントを見ることで議論中に使えるスキルをゲットすることが出来る。
これのおかげで「キャラと仲良くなろう」というモチベーションにもつながる。
そしてイベントが発生すると、そのキャラのステータスも上がる(強くなる)
この仕組みのおかげで
「キャラと仲良くなる」→「スキルゲット(自分が強くなる)」→「そのキャラも強くなる」→「ゲーム全体の難易度が少し上がる」
というサイクルが出来上がる。
その結果自分がうまくなる・強くなると同時にゲームが少しづつ難しくなるから、同じルールのゲームなのに飽きにくい。
うーん、ゲームの一連の流れがうまくできてる。
何度でも遊びたくなる仕組みが練られている。
●AI
大雑把にいうと最終的には「誰の味方になるか」「誰と敵対するか(疑う・殺す)」を選択する思考ルーチンだとおもうんだけど、14人のキャラがそれぞれ知性・感情を持ってるんじゃないか?と錯覚させられてしまうような動きをしてる。
↓で解説されていることではあるけれども
まずは各キャラの性格にマッチした感じで納得感のある能力値の割り振りがされている。
その結果「コメットは嘘を見破りやすい」「ジョナスのウソは見破りにくい」などの納得感のあるわかりやすい結果になる。
これだけだと「じゃぁ、コメットの言うことを信じてれば楽勝じゃん」ってなるかもしれないんだけど、
・コメットがグノーシア(嘘つき)の場合もある
・演技力の高いキャラのウソはコメットでも見破れず、別の間違ったキャラを疑うこともある
などなど、各キャラの役割が毎度変わるというのも相まって、毎度同じ行動をするというわけじゃない。
あと、グノーシアたちのウソに気づいてるかそうでないかによっても行動がかわるから、「誰が誰のウソに気づいていそうか?」「AとBがグノーシアだから共謀してXを疑っているのか?それともただ仲が良いからか」「グノーシアだからといって常に嘘をつくとは限らない」などなど。
ゲーム内のキャラの行動に着目して仮説を立てたり疑ったりすればするほど、キャラの中に知性や感情があるのではないかと思えてきてしまう。
そんな魅力あるAI達でした。
さいごに
開発に4年かかったとのこと…ものすごく色んな事が練りこまれた作品になっていた。
こんなにキャラに感情移入できてしまうゲームは久しぶりだったし、一気にクリアしたくなったのもよかった。
どんな人にお勧めか…
・人狼が好き
・アドベンチャーゲームが好き
・論理的思考が要求されるゲームが好き
・SFが好き
そんな人に刺さる気がする!!
ちょっと余談だけど、ダンガンロンパのノンストップ議論にも似てるなと思った。
あのゲームもめっちゃ好きなんだけど、ダンガンロンパはシナリオありき、何度やっても結果は同じなのに対して、グノーシアは毎回展開が違うから何度でも遊べる、人狼一転突破のゲームになっている。
ひとつのことを突き詰めるとこんな素敵なゲームになるんだな!というのを教えてくれた。
take_de_x at 13:30│Comments(0)│ゲーム感想